笠間焼(かさまやき)
歴史や特徴を紹介

笠間焼は茨城県笠間市周辺を産地としている陶器であり、春には陶炎祭等が盛大に行われています。陶器市の時期になれば、全国から多くの観光客が集まり賑わっています。

どんな歴史があるの?

江戸時代中期の安永年間から作られるようになりました。箱田村の名主、久野半右衛門道延に招聘された近江信楽の陶工、長右衛門が、窯を築いて陶器を焼いたのがこの笠間焼の始まりとなっています。その後、笠間藩主の仕法窯として保護される事になり、甕や摺り鉢などの日用雑器が産み出されるようになりました。幕末から明治になれば、江戸に近い為に技術者や従事者が増加した事により、大量生産も始まりました。ただ有名になったのは、陶器商田中友三郎が、笠間焼の広報や販路開拓をした事も全国に笠間焼が知られる事になった要因の1つでしょう。現在では三百人に達する多くの陶芸作家や窯元が存在しています。

特徴は?

関東ローム層から出る笠間粘土という土が使用されている焼物です。他にも、蛙目粘土と呼ばれる物があり、これは花崗岩の風化の影響により出来た鉄分を多く含む土となっています。笠間粘土は、強い粘りを持っており、粒子がきめ細かいです。その為に丈夫な焼き上がりとなりますので、日常雑器等を作るには最適で理想的な土と言われています。戦後になると若い陶芸家達が笠間に集まるようになりました。伝統に縛られない自由な作品を作る事が出来るのが、非常に魅力的だったからです。現在では実用的な水瓶や徳利が作られていますが、他にも芸術的な作品、オブジェまで、様々な焼き物が産み出されています。

ゆかりのある陶芸家は?

笠間焼に関連する有名作家では、松井康成が居ます。国の重要文化財である、練上手の保持者であり、人間国宝となっています。基板は伝統技術ですが、それだけでは無く、現代に合わせた個性豊かな陶芸のあり方を練上手という技法を集大成し、陶芸のあり方を世に知らしめた事でも知られています。

関東地方の陶芸・陶器
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