九谷焼(くたにやき)
歴史や特徴を紹介

九谷焼は石川県南部に位置した、金沢市、小松市、加賀市、能美市で生産されている磁器です。この九谷の地名の由来ですが、諸説あります。まず、山中温泉が一番目。大聖寺川上流へ旧西谷村の栢野大杉がある村落を2番目。そうして数えていくと9番目の村落が九谷。そこから名付けられという説があります。他にも『加州名跡誌』に「山広く方五里にわたり谷深くして九百九十九谷あり、略して九谷という」という記述もあります。それで九谷と呼ばれるようになった説があります。他には地元の伝承や谷が多い事から、最高数字の九とした説があります。

どんな歴史があるの?

九谷焼の歴史ですが、大聖寺藩領の久谷村で良質の陶石が発見された事により始まりました。藩士の後藤才次郎が、有田へ技能の習得に行き、明暦初期に藩に帰りました。そして藩の殖産政策として、九谷焼がスタートしたのです。しかし五十年後には廃窯。ただ、これで終わらなかったのです。一世紀後、文化4年に、加賀藩が、京都から陶工の青木木米を招きました。そして、金沢の春日山に春日山窯を開いたのです。加賀地方には多くの窯が作られました。これらの窯から作られた製品を、再興九谷と呼びます。明治時代には、外国にも輸出されるようになりました。1873年に開かれたウィーン万国博覧会に出品もされました。その時、西洋の技法を取り入れる事になりました。1872年には、型押しの技術を使用して九谷焼が作成されるようになりました。1892年には置物等が多数作られるようになり、大正時代には石膏の型でも製品が作られるようになりました。九谷焼の量産化の始まりです。

特徴は?

古九谷と呼ばれる磁器は、青や緑、黄色、このような濃色が多く使用されています。鮮やかな色合いが特徴の一つです。その為に色使いが非常に華麗な物になっています。それだけではありません。大胆で斬新な図柄も特色の1つと言えるでしょう。祥瑞手という様式があるのですが、これは、五彩手、青手に分かれています。祥瑞手の特徴は赤の輪郭線が使われている事です。赤、黄、緑、それらの明るい色調で、文様が描かれて非常に鮮やかです。一方、五彩手はどうでしょうか。これは黒の輪郭線が使用されています。青、黄、緑、紫の濃色で文様が描かれています。青手は、五彩手と色の使い方が似ていますが、素地の白磁の質が少し下がっています。その欠点を、青、黄、緑、紫などの濃彩で塗り潰しているのが特徴でしょう。

ゆかりのある陶芸家は?

重要無形文化財保持者(人間国宝)の三代徳田八十吉、吉田美統などが有名な作家です。

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